100年の孤独

I only sleep with people I love, which is why I have insomnia

新幹線


どうでもいいことに妙に執着するところのある子供だった。
例えば新幹線の一番前の「鼻」の部分だ。なんとなく「ポン」と音がして開くような気がする。もしくはキュコキュコと回して開けるのかもしれない。とにかくあれは何かの蓋で、中には何かが入っている。そんな気がしていた。
中には何が入っているのか。なんとなく「オマケ」が入っているような気がしていた。もしかしたら乗客が100万人を超えたら、あそこがポンといって開くのかもしれない。そしてオマケがもらえるのだ。うらやましい。
同じようにお相撲さんのまわしの前部に垂れているジャラジャラに異様な執着を見せた時期もあった。あの頃はスーパーのチラシの裏に相撲取りの股間部分だけを精巧に模写しては、親を不安に陥れたものだ。