100年の孤独

I only sleep with people I love, which is why I have insomnia

Ryhmeberryについて思うアレやコレ


いやぁ当初は日記を書くとか言ってたんですけど、結局いつもとんちきなネタテキストばかり書いていて、しかもそれが故に更新頻度は低いという、もうダメダメなループですね。俺ももういい歳なんだから、あの娘がカワイイこの娘がカワイイ、あのアイドルが楽しい、このアイドルがヤバイとか浮かれたことばっか言ってないで、もっと、こう、地に足の着いた、日々の生活の中から喜びを汲み取る、そんな落ち着いた大人の文章が書きたいですね。はい。というわけでアイドルの話をしましょう。Ryhmeberryです。Ryhmeberryの新曲「まず太鼓」がドロップされたわけですよ。MASS対COREから14年、雨の日比谷から16年、ECDが「J-RAPは俺が殺した」と言ったあの日から、これまで数々のラッパーがHIP-HOPが人口に膾炙するようになったがための害悪について声をあげてきましたが、HIP-HOPが広まったことによる数少ないポジティブな現象。それがRyhmeberryだと思います。

昨日「まず太鼓」の動画が公開されて、今朝にはECD、イリシットツボイから動画を見たこと、そしてかなり好感を持っているようなことが言及されていて、俺はなんだかね、スゲーうれしい気持ちになったんですよ。いつもはこういうのなんかイヤなんですけど、横から入ってお手軽に共感して「いい話だなぁ」みたいなのってすごく下品でイヤなんですけど、今回だけは言わせてください。Ryhmeberryが、ECDに、日本語ラップ文化圏の人間に受け入れられたのが、俺はホントうれしいです。

Ryhmeberryって、メンバーの4人はすごく天真爛漫に、それこそ文字通り明るく元気にライミング中だと思うんですけど、プロデューサーのE ticket productionさんには、単純に売れるか売れないかというのとは、また別の意味の心労ってあると思うんですよ。自分がリスペクトしてやまない文化圏から、ともすると「ふざけんな!」と文句がくるかもしれない、イヤ、そんなことはないはずとは思いつつもやっぱりその心配が0になる事はない。もしそうなった場合は自分が盾にならなきゃいけない。そんなすごく難しいポジションで、それでも自分が「いい」「面白い」と思ったものを信じてやってきたことが、こういう形で結実する。これってやっぱスゲー幸せなことじゃないっすか!?

もうホントそういうとこまで含めて、いや、そんなこと含めないでもRyhmeberryはいいよ。ホントにいいよ。
最近はIch Liebe dichばっか聴いてるよ。ホント最高だよ。最高すぎて歌詞を丸写ししちゃうよ。

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たくさん本を読もうって決めたんだ
自分の気持ちをちゃんと伝えられるように
ママとの喧嘩や家出は もうやめた
だってお腹が空いたらうまくいかないでしょう?
胸んとこにかくされたチャームは
お小遣いためて渋谷で買ったやつ
それは誰にも見せない秘密の鍵だけど
いつかあなたにだけなら見せてあげるよ
大人は子供に戻りたがってる
子供は大人になりたがってる
境界線の上にあたしは立ってる
未来はいつ? んーきっと明日か明後日
一生懸命やってるはずなのに
あれこれって本当にしたいことだっけ?って
友達の笑顔がつらくなっちゃって
後ろめたくなって逃げたこともあったな


やりたいことだけやってくなんて
無理だって大人はみんなそう言うけど
やりたいことだけやっていきていきたいよ
好きなことだけで生きてきたいよ
ねえ学校が無い生活ってどんなの?
想像がつかないや 楽しすぎて死にそう
誰かに寝なさいって言われない夜や
好きな食べ物だけが乗ったお皿は
羨まし過ぎて泣けてきちゃうけど
どうしてそんなに不満そうなの?
宿題やるために握ったペンで
ネイルがはがれていくのがわかる
テストが終わったらシーかランドね
夢中で遊んだらお財布は空っぽ
お土産はクランチ? スティッチのバッチ?
気持ちだけで良いならハイタッチ


放課後のグラウンドにいる
気持ちはがらんどうになってる
ねえ 見て うんと遠くまで走る彼のこと
これが恋じゃないってことをわたしは知ってる
気持ちは言葉にすると逃げてく
そこらじゅうに散ってどこかに行ってしまう
もし果実みたいに手に取ることが出来たら
わたしの声はどんな味がするのかな
吹奏楽部の練習が聞こえてくる
そういえば部活も途中でやめちゃった
やりたいことはいつかやらなかやいけない
ことになって黒い雨になって降って来る
今宝物だと思ってることの全ては
時間がたてば色あせてしまう
カウントダウンのついた無邪気さは
いつかは消えてあたしはあたしじゃなくなる


それでもわたしはステージに立つ
もしかしてここが未来なんじゃない?
暗くて重いドアをおそるおそる開けてみる
(ぎーがっちゃん)
そこで浴びるライトや歓声
みんなはあたしに何を重ねて声をあげるの?
あたしはちゃんとあなたの期待に応えることができているの?
本当はわたしはただの普通の女の子 同じクラスにいたような
あなたの隣の席にいたような一緒の給食係の 黒板を引っかいて遊んだ
でもあなたの想いを受ければどこまでもいけそうな気がする
みんなと一緒なら届きそうな気がする
これは冗談じゃなくて真面目な話ね

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ヤバイよ。最高だよ。ど頭の

「たくさん本を読もうって決めたんだ」

ここでもう名曲確定。その真っ直ぐさ、誠実さに泣きそうだよ。もし俺が心療内科の医者だったら、患者にこの曲を処方する。飲む(向精神薬を)、鬱、カウ(ンセリングを受ける)の日々で荒んだアイドルヲタクの心を救うものがあるとしたら、それはDJ HIKARUの透き通った声だと俺は本気でそう思うよ。

「未来はいつ? んーきっと明日か明後日」

ってとこも最高。少女の、その圧倒的に少ない人生経験がゆえに実現できる「切実さ」や「大仰さ」と「等身大」の共存。これはスッペシャルジェネレーションの「池袋を過ぎたってこの愛は永遠」と並んでマジ歴史に残るフレーズだと思うし

「ねえ 見て うんと遠くまで走る彼のこと これが恋じゃないってことをわたしは知ってる」

ってとこもホント最高だよ。なんだろうね。単純な若さへの憧憬なのかな。まぁなんていうか、若い肉体が躍動しているのって単純に眩しいよね。でも、小学生の頃の足が速いやつがモテるっていうあの傾向は一体なんだったんだ。アフリカの部族じゃねーんだから。

吹奏楽部の練習が聞こえてくる そういえば部活も途中でやめちゃった」

こことかは、とっても個人的なことだけど、ホント色々考えちゃうよ。聴いてるうちに校舎が照り返す茜色が瞼の裏に蘇る感じがする。

そんな感じで、なんというかホントいい曲。これ聴いてると、過去の色々なことに対してポジティブに、悲しいこともまとめて慈しむような気分になれる。フラフラとインターネットをさ迷ってると「『かわいい』には死の要素はほぼない。『きれい』には少しある。『美しい』とは死と生の混濁だ」っていう文句が目ン中に飛び込んできたんだけど、なんとなくこの曲に感じる「美しさ」の一部が説明されてる感じがする。ホントに、美しい音楽だと思う。もう、大丈夫。人生も大丈夫だと思う。今まで欲しかった感情はこれなんじゃないかな?俺が死ぬときにはこの曲をかけて欲しい。死ぬときがこんな気持ちなら、最高の大往生だとおもうよ。絶対。これは冗談じゃなくて、真面目な話ね