100年の孤独

I only sleep with people I love, which is why I have insomnia

こんばんわ。椎名彩花です。

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ここ数日、引きこもって昼も夜もなくポケモンばかりしていた。目がいたい。
バイトを辞めて日がなごろごろしていると、どんどん自分がダメになっていくのが分かる。視力は日ごと低下するし、頭は少しずつ悪くなる。心は狭くなるし、足も着実に遅くなる。最近は色々な事がうまくいかない。スーパーでレジに並んでいると、決まって私の列が一番進みが遅い。燃えないごみの日を間違えて近所のおばさんに注意される。風邪が治ったと思って外に出て、帰るころにまた風邪をひいている。昨日はコンタクトを洗面所で水に流してしまって、絶望のあまり亀の甲羅に頬を当てたままひとしきり落ち込んだあと、いましめのためにお風呂で眠った。

真夜中、真っ暗な風呂場で「ろくな人生じゃないな」と思って携帯を見ると、ツイッターのアカウント設定の「しあわせ」がOFFになっているのを発見して、びっくりした所で、蛇口に頭を打って目が覚めた。急いで携帯を取り出してツイッターの画面を確認したけど「しあわせ」設定はどこにもなかった。どこかに絶望している人がいたら、いくら自罰的な心もちになったとしても、風呂場で寝るのは良くないですよ、と教えてあげたい。悪夢にうなされて蛇口に頭を打つと、とても痛いから。

 

日曜日、先輩から電話があって、美術館行きたいって言うから、いいですねって言った。先輩はこのところ美術館に行くのが好きみたいで、突然どうしたのかなと思って、この前会ったときに聞いたんだけれど、そうしたら、働いているバイト先に絵がかかっていて、それがとても綺麗で、悔しいから、絵画に目を慣らしてしまいたいのだって。さっさと。まじかよと思った。なんだかこの人はすごいなって思った。
それで、ハプスブルグ展に行く事になって、上野で待ち合わせしたんだけど、待ち合わせの時間になっても全然来ないので、出店でから揚げとビールを買って美術館のまわりを散歩しながら待った。結局1時間遅刻した先輩は開口一番に「鍋しようよ」とか言いだして、私はまた、まじかよと思った。私がから揚げ食べます?って言うと、先輩はうんって言ってからもう冷めてしまったボソボソの揚げを食べながら、鍋、キムチ鍋やろう。ってまだ言ってて、やっぱりこの人はすごいなって思った。先輩の体内には先輩に食べられた牛や豚や鶏やきのこが、暮らし続けるのかと思った。そして手ぶらでどこにでもいけるんだろうと思った。鍋にはまだ早いですよって私は言ったんだけど、冬に私が死んでいたらどうするのだよとすごまれて、結局そのままアメ横で材料を買いこんで家で鍋をすることになった。とってもおいしかったので先輩には感謝した。