100年の孤独

I only sleep with people I love, which is why I have insomnia

こんばんわ。椎名彩花です。

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いよいよもって春だ。ベランダで暖かな日差しに目を細めているとなんだか生への執着がゆわんゆわんと揺らいでくるのであぶない。アイドルだった時はなんともなかったのだけれども、最近の私はなんだか眩しいのがあまり好きではないのです。映画が終わった後などはいつも明かりが点かなければいいと思う。ずっと真っ暗な中でごそごそしていたい。

 

 ドラッグストアとドンキホーテの眩しさは常軌を逸している。コンビニも眩しい。でもお店の眩しさは近寄らなければ良いだけなのだけど、お日様の眩しさからは逃れらない。太陽は残酷。昼がつらい。泣いちゃう。天王星は地軸がとっても傾いているから42年に一度しか昼と夜が入れ替わらないのだって、何かの本で読んで、私はそれから天王星を探した。でも最近あれはなんだか違うみたいだという事が分かったらしく、やっぱり夜が42年も続くようなことはないのだって。遠い遠い星で夜が42年続くか続かないかなんてどうだっていいのだけど、私はあの時「それなら何年も何年も夕暮れが続くのかしら」なんて思っていたの。1000日続く黄昏を思ってロマンチックな気分になったその分だけ悲しい。私の気持ちを返して欲しい。分かれた恋人に向けるような気持ちで天王星を探して真昼の空を見上げる。うぅ…眩しい…。

 

 そういえば、小学校一年生の時に「地球は今までなんかい回ったのですか!」って先生に訊いたら、先生はふざけて「三回くらいかなあ」と答えて、私はそれをすっかり信じたのでした。私は、地球はいま三回目の回転をゆっくり続けているのだと信じていたです。なので、一日に昼と夜があるのは地球が一日に一回まわっているからなんだよって教わったときに私がどんなにびっくりして、どんなに「速すぎる!」と思ったことか。あんな嘘なかったらきっとなんにも思わなかったのに。ひどい!

 

大人が子供に何の得にもならない嘘をつくのはどうしてなんだろうと思う。アイドルだった頃、ファンに息を吐くようにするすると嘘をつく人がいて、その人は私が「何のお仕事をしてるんですか?」って訊くと、北朝鮮のスパイだって言ったり「どこに住んでるんですか?」って訊くと、実家は神奈川なんだけど、今は八王子の精神病院に入院していて、今日は一次外出の許可を取ってライブに来ている、なんて言って私が反応に困るのを見て笑うのです。ある時などその人が元気がなさそうなんで心配して「何かあったの?」って訊いたら、昨日長らく空いていた同室のベッドに新人さんが入院してきたんだけど、それが昭和天皇を自称する老人で、6人部屋に昭和天皇が3人いてつらい。なんてことを言って「そこら中やんごとなくて困っちゃうよ」なんて笑うから、それが変なツボにはまってしまって笑いが止まらなくなって、それで私がチェキ係りのスタッフの人に怒られた時はファンの人を恨みました。

私もたまに真似をして、いつか誰かにつくための嘘を考えてたりするのだけども、どうにも笑ってしまって上手くいきそうにありません。

 

こんばんわ。椎名彩花です。

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小学生のとき一番仲の良かった女の子はクリスチャンでした。たまに彼女にくっついて日曜に教会に顔を出して(そしてお菓子をもらって)いたのだけれど、私はあまり神様に興味がなかったから、いつも主の祈りのあとに抜け出して教会を探険していました。教会の前には、コンクリートの壁に囲まれた小さな庭がありました。琵琶のなる木があって、空が狭くて、なんだかとても好きでした。その仲の良かった女の子は小学三年生のときに転校してしまって、それ以来会っていません。読書が好きな子。もう、顔もよく覚えていないけど。

 神父様が「イエス様は世界にあなたひとりしかいなくても、あなたひとりのために磔刑になったでしょう」と言ったのだけ、今でもよく覚えています。そのとき初めて、「いえす様、あなた」と思って、それは神様に対しての感情じゃなかったと思います。感謝とか、信仰では、なかったと思います。その日の夜、ベッドの上で丸まって、私ひとりが立つ地平面で、私ひとりの罪のため、私ひとりのいのちのために自ら十字架にのぼるキリストを想像していました。きっとその目は私を見たでしょう。私しかいないから。そして私はキリストを見る。私は、そんな想像をして丸くなりながら、そのとき、泣こうと思ったのです。まぁ、泣けなかったのだけれども。もしかしたら今ならあんな夢を見た朝は泣けるかもしれません。

 世界は私一人でないので、私はあの子が転校してから教会に行っていません。でも、大人になった今、あまり好きじゃない男の子とセックスしている時などは(そんな事は基本的に無いのだけれども)キリストの事を考えながらしている事があります。

こんばんわ。椎名彩花です。

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衣替えのために荷物を整理していたら、現国の教科書が出てきました。
教科書は水にぬれてカピカピにたわんでいて、あぁこれ確か川遊びして濡らしたんだなぁと高校の時の記憶が思い出されました。たしか5月の終わりくらい。ぬくぬくと暖かい日で、なんだか夏が来そうで怖くて、学校の近くの大きな公園まで歩いたら、綺麗で浅い川があって、私は裸足になってその中を上流に向かって走って、親子連れに振り向かれて、子供に追いかけられて、転んで、カバンがびしょびしょになって、後輩に助けられて、裸足で学校まで帰ったのです。その親切な後輩が「先輩受験した方がいいですよ」って言って、うん、私いちおう、するつもりなんだ。今日はたまたま川を走っていただけなんだ。って嘘をつきました。

 

 現国の授業で、「日本人はなんてかわいそうなんだろうね」という内容の文章を追っていて、教科書を乾かしていた私はボーヴォワールを読んでいて、私の横の子は携帯でつむつむをしていて、私の前の女の子は単語帳を作っていて、うむー、誰がかわいそうなのだ、と思ったのだけど、それはたぶん先生よね。携帯とボーヴォワールが爆発すればいい。単語帳は小鳥になって飛んでおいき。

 



こんばんわ。椎名彩花です。

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しばらく日記をサボっていました。日記を書かないでいた数か月間、何をしていたかと言うと、新しい冷蔵庫を買い、亀の甲を撫で、傘を盗まれて雨に打たれながらコンビニから帰り、なんでこんなにしょんぼりしなければならないんだろうと思いながらスープをごくごく飲んだりしていました。または、お風呂につかりながらお湯を手ですくってこれってダシがとれてたりなんかしないのかなあなんてぼんやり考えながらとぼとぼ泣いて、なんで豚骨を連想しながら泣いたりしなければならないんだろうと思って、あぁそれはだれかに愛されたいからなのだと悟り、急いで彼氏を作ったりしていました。(これは自慢ですが私はモテるのです)

3人目の彼氏(とんでもなく話がつまらなくて一週間で別れたのだけれども「スポーツマンはスポーツみたいなセックスをする」という事を学んだのは収穫でした)と別れた後、先輩の紹介でアルバイトを始めました。

先輩は高校頃のひとつ上の学年で、ひとなつっこい笑顔と物おじしない性格で私の事をかわいいかわいいってぬいぐるみか何かのように撫でまわしてきて、同学年で少し浮いた存在で一人でいることの多かった私を何かと構ってくれた人です。卒業してからは全く連絡も取っていなかったのだけども、たしか東京のデザイン系の専門学校に進学するということを聞いたような聞かなかったような。

その先輩から久しぶりに着信があり、あの頃と変わらないテンションで、わー!久しぶり!良かった番号変わってなくて。ねぇアイドル辞めたんでしょ?今何やってる?なんて言われて「専門学校に通ってます。服飾の」とでたらめを答えると、どうせ行ってないでしょーなんて呆れた声を出された。先輩こそ、って返したら、私留年した、って告白されておもしろかった。先輩が後輩になるという非常事態によく笑っていられるね!って言っていた。私が「かわいそう!」って笑うと、私、もうね、京都で仲居になろうと思って、携帯も解約して過去を全部捨てて京都に行こうとしたの。そしたら新幹線のチケット買っているときに親につかまって。「え?マジですか?」びっくりしたよ。TVみたいだった。そんなTV見た事ないけど。ところでこのあいだ鎌倉で海を見たのだけど、波がぜんぶこっちの方向に向かってきててね。「はい」ぜんぶだよ。ぜんぶ。「はぁ」びっくりした。ねえ?アルバイトしない?明日ってヒマ?忙しくなかったら会おうよ。

たとえば地下室で生まれた天使はこういう声音で話すかもしれない。アイラブユーなんて思いながら電話を切った私は、もし会って顔を見たらキスしちゃうのを我慢できないかもしれない。なんてことを考えていました。

 

 

解放Ⅱ 巡礼からの解放 

病める時も健やかなる時も常に一人、生涯独身孤独死確定おじさんの皆さん、こんばんは。耳ミンスです。今日は大切なお知らせがあります。この度、ReLIeFのヲタクの呼称が「巡礼者」から「Reliever」(和訳:中継ぎ)に変更されました。

いやぁ笑った。手を叩いて笑いました。このブログを遡ると分かる通り10年程前、耳ミンスPerfumeのヲタクだったんですが(10年も続けてんのかこの珍文…)Perfumeが売れる事で現場がなくなり現場系古参がオシャレサブカル新参に駆逐される時に「古参っていうのはスペースシャトルの燃料タンクみたいなもので、大気圏を突破するまで必死に燃料供給して、宇宙に出たら切り捨てられる。そういうもんなんだ。それでいいんだよ」という大変含蓄のある寝言を垂れていたヲタクがいたのですが、「中継ぎ」という呼称はまごう事なく先の言と文脈を共有するネーミング。しかも変に何かをモチーフにする事なく構造そのままを名前にする、一種コンクリ打ちっぱなし建築と同様のスタイリッシュさと潔の良さが感じられて大変すばらしいと思います。

ReLIeF公式アカウント様におかれましては、是非ステレオ時代から受け継いだ機械翻訳コピペ芸で「中継ぎのみなさんへ」等という形で随所で日本語訳も使ってもらいたいと思います(蒲田温泉の時の「move分身です」は爆笑しました)

100年の孤独は八十八ヵ所巡礼を応援しています。

解放Ⅰ 在庫からの解放 

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ノーパン、ノーブラ、ノーフューチャー(挨拶)こんばんわ。耳ミンスです。いやぁまた随分間が空いちゃいましたね。いや、違う、違うんですよ。俺は悪くない。俺は悪くないんです。あれです。ホラ、えっと、バグ。バグです。バグなんです。はてなが悪い。

まぁでも皆さん、考えてみてください。この世界にはバグで溢れています。例えば男が生きるの下手だとセックスが遠のくのに女が生きるの下手だとセックスが過剰になるこの世界の仕様バグ、あれに比べたらいくら待っても日記が勝手に書かれないバグなんて、まぁ実質無害みたいなもんですから、どうか寛大な心ではてなを許してあげて欲しい。ドンマイ。はてなダイアリー

 という事で更新の止まっていたここ2か月の耳ミンス君のダイジェストですが、何といっても一番大きなトピックスとしてはReLIeF。つまり岸森&西園寺が地下シーンに復活してから修行に次ぐ修行の日々なわけです。

ReLIeFは「大切なものはライブ中に売る」がコンセプトで、ライブの事を「修行」ファンの事を「修行僧」と呼ぶセルフプロデュースアイドルです。間違ってたらごめんなさい。

ReLIeFは大人に振り回されて不本意な形で消滅したStereo Tokyoの二の舞にならないように、今度は自分たちの力だけでやって行こうと決めて、楽曲のプロデュース、振付、ブッキング、イベントの企画まで西園寺と岸森が二人でやってる訳ですが、開幕から怪しい光る腕輪を大量発注してしまって在庫処理に困ってる辺り、スタート時からすでに悪い大人に騙され済みな感じが非常に強くて応援したくなりますね。

って、あんまふざけてもアレなんで真面目に話すと、もうホントにおじさんは単純にうれしいんですよ。二人がシーンに帰ってきてくれて。二人が楽しそうに歌って踊って光る腕輪売って・・・うぅ、やっぱり曲合間におもむろに腕輪売りつけてるの見ると毎回頭痛くなるな・・・まぁいいんです。二人が笑ってれば。

というわけで100年の孤独はReLIeFを応援しています。

夏休みの宿題

8月も終わりが近づくと、小学生の頃の夏休みの事を思い出す。5年生の夏休み、8月生まれで同じ団地の色川君が、誕生日プレゼントに天体望遠鏡を買ってもらった。俺と色川君は学校は違ったが仲が良く、望遠鏡を自慢したい色川君と夜中に子供だけで出歩く大義名分が欲しかった俺の利害が一致し、親を説得して自由研究として二人で天体観測をすることになった。
その頃俺たちが住んでいたのは千葉と東京の間のベッドタウンで、駅前の繁華街を抜けると住宅街があり、そこからさらに川を超えると町工場が密集する地域があった。天体観測にはネオンの光が邪魔だろうという事で、俺たちは町工場の方で天体観測に適した場所は無いかとあらかじめ昼間に自転車でロケハンを行い、川を越えて20分ほど行った所の高台におあつらい向けの神社を見つけてあった。準備は万全。当日は二人の秘密基地だった陸橋の階段下の金網で囲われたスペース(植え込みがあり、子供が座り込むと通りからは死角になって見えない)で落ち合い、駄菓子とジュース、そして携帯ラジオから流れるBGMに興奮しながら子供だけで深夜に密会しているという非日常を存分に楽しんでから神社に向かった。
夜風は気持ちよく、ペダルをこぐ足取りは軽い。川を超えた所のキツイ坂道は天体望遠鏡を落とさないように用心して自転車を下りて登った。そうやって深夜の街のクルージングの末に高台のふもとに着く。ここから先は階段だ。自転車を止めて懐中電灯を取り出す。一段飛ばしで階段を駆け上り、息を切らせながら境内までたどり着くと、そこは二人呼吸音以外には虫の声が少ししていただけ、天体望遠鏡を設置して懐中電灯の明かりを消すと本当の真っ暗になった。
最初は星座の名前を調べたりしてワイワイとやっていたが、だんだん飽きてきた。低倍率の天体望遠鏡で見えるのはほとんど代わり映えしない恒星ばかりだったからだ。そろそろ帰ろうか、という事になり懐中電灯を探すがどこにあるのか分からない。管理していた色川君が、どこだっけ?と言いながら手探りで探し始めた。すると、どこからか
 
コーン…コーン…
 
という音が響きだした。なんだろう?色川君が泣きそうになりながら必死に探しているのをよそに、俺はその音が気になり音の出どころである神社の隅に行ってみた。神社の鳥居をくぐって左手側の広場で天体観測をしていたんだが、音は右手側の林からしていた。近寄って見ると音の方から明かりが見えた。遠目でもよく分かる、白装束に身を包んだ人間だった。丑の刻参り。俺はそれを知っていた。叫びたい気持ちをおさえ、極力物音を立てないように境内まで戻ろうとしたその瞬間、後ろから
 
「おーい、懐中電灯あったぞー!」
 
と叫びながら色川君が懐中電灯のライトをぐるぐるとこちらに向けながら走ってきた。コーン…コーン…という音が止まった。バレた…終わった…そう悟った。一目散で逃げる俺を見て非常事態を察した色川君だったが、すぐに自転車まで逃げるのではなく「天体望遠鏡!!」と言いながら境内の方に行ってしまった。鳥居を抜け、階段下の駐車場まで逃げた俺は色川君を1分ほど待ったが、色川君は来ない…
戻って色川君の親に言うべきか…自分の親に言うべきか…どうしよう、と思っていると階段の上から明かりが降りてくる。天体望遠鏡を握りしめ泣きながら色川君が降りてきた。その後ろには手に蝋燭を持った白装束の女が一緒だった。闇からぬっと現れたその女は、あたかも夜から生まれたようだった。逃げたい気持ちをおさえ、色川君の名前を呼んだが、泣きじゃくっている色川君から返事はない。徐々に街灯が二人を照らす。良く見ると色川君はあちこちに擦りむいてケガをしていた。
階段を降り切った二人。数歩の距離にあの女がいる。俺は緊張で微塵も身動きが取れなかった。助けるべきなのか、逃げるべきなのか、決断に迷ったわけではない。完全に全ての思考が停止して同時に全ての思考があふれ出しそうになっていた。パニックになって喉から叫び声が漏れる、その直前、女が顔を上げ「ごめんね」と漏らした。よく見ると、女も号泣していた。
 
5分ほどして落ち着いた俺たちに女は話した。丑の刻参りをしていたが俺たちに見つかり失敗した。俺は殺されると思ったが、女は「失敗した」程度であきらめに近い感情があっただけだったらしい。だがそのあと大きな音がして驚いて広場のほうに行くと盛大に転んだ色川君が傷だらけになっていた。泣き叫ぶ色川君を見て、自分のせいだと思ったのであろう女は責任を感じ号泣してしまったらしい。幸い色川君は擦り傷だけで他に大きなけがは無さそうで、傷を清めの水で洗った後は泣くこともなくあっけらかんとしていた。
その後、駐車場にあった自動販売機で女にジュースをおごってもらい、少しだけ話をした。女は市街に住むOLで嫌な上司にいじめられてる、という内容だった。で、その上司を呪うために丑の刻参りをしたらしい。話していると普通の女の人で、自動販売機の明かりで見たその顔はむしろ美人な人だという感想だった。ちなみに白装束だと思っていたのはただの白っぽい服だった。
その後、もし色川君のケガがひどかったら電話して、とメモをもらった。メモには椎名彩花という名前と電話番号。夜8時以降か日曜日しかつながらないけど、と言っていた気がする。帰りがけに「椎名さん、今日は本当にすみませんでした」と言うと、笑いながら「彩花でいいよ」と言っていた。色川君が「彩花ちゃん!」と笑いながら言うと、女は声を出して笑った。帰りは俺が天体望遠鏡を運んだ。何があったかは親には話さなかった。
 
一週間後、色川君の擦り傷はきれいさっぱり治ったので、女に一報入れておこうということになった。綺麗な人だったし、もう一度会えるかな?などと少し期待してた。「多分色川君も同じだろう。なぜか口達者というだけで俺が電話することになった。電話をかける前に「今度から俺も”彩花ちゃん”って呼んでいいですか?」という台詞を声には出さずに数回練習した。

女が出て

「あの時は本当にごめんね」

みたいなことを言ってきたので

「気にしないでください」

と言い、練習した一言を切り出そうと意を決して息を深く吸ったところで、女は心底うれしそうにこう言った。

「そうそう、・・・あの時の呪いね。・・・効いたよ」

俺は上司に何が起きたのかは聞けなかった。結局、それから椎名彩花に連絡はしていない。